2014年11月10日月曜日

羽生選手の怪我

11月もあっという間に3週目に入りました。このままだとあっという間に年末ですね・・
たまには?真面目なネタを(笑)

さて先日中国で行われたフィギュア中国杯で、羽生選手が本番前のウォーミングアップ中に他の選手と衝突して怪我をしました。

その後、怪我の処置を受けて本人の意思で演技をしたようです。
演技を見た方の中にも賛否両論あったようで、「感動した!」「あの精神力は凄い」など賞賛の声も多く聞こえたようです。

ところで、アメリカンフットボールはヘルメット被っている状態でコンタクトをするスポーツです。ポジションによっては毎プレー衝突を繰り返しています。
試合や練習時に当たり所が悪いと脳が揺らされて脳震盪が起こる場合があります。一時的に意識を失ったり、一部の記憶を失くしたりします。トレーナーとして試合に帯同した時に脳震盪になった選手を診ましたが、完全に一部の記憶を失っていました。復帰まで病院と連携してかなり時間をかけた覚えがあります。

で、この脳震盪は癖になる事が多く、本番アメリカNFL、カレッジでも復帰まで非常に厳しい決まりが設けられています。最近は日本の大学(リーグ1部大学など)でも復帰に向けてのプログラムがかなり厳密に管理されるようになりました。

脳震盪は場合によっては命に関わる場合があります。特に2回、3回と繰り返す度に損傷が大きくなる傾向があり死亡事故はこのパターンです。日本では中学校の柔道部で頭を強くうち、そのまま練習を続けて結果、死亡事故というのが何度も起きています。またNFLの選手でも引退後に脳震盪が原因で命を失った例や、社会復帰が困難な場合もあったりと問題になっています。

さて、今回の羽生選手の怪我では脳震盪の疑いは無かったのでしょうか??何度も回転技で失敗していたようなので、脳も揺れているはずです。
本当に切り傷だけならば、羽生選手が本人の意思で演技した事は賞賛されても良いかもしれません。が、もし脳震盪の症状が少しでもあったならば大会運営側も、チーム羽生は重大なミスをした可能性もあります。

若く才能のあるアスリートが、ほんの一瞬の選択ミスで将来が失われる事がない事を願います。
羽生選択の魂のこもった演技の裏側で、大きな問題が起きていないといいのですが・・

マスコミによって美談として扱われるような今回の怪我ですが、その裏側に潜む危険について広く伝える必要を感じました。華やかな世界であればあるほど見逃されがちな安全に対する備えが必要ですね。

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